塗装工事とはオーダーメイドです
まず、塗装工事は「完成された製品」また「相場の決まったサービス品」を買う事とは違います。
お客様の住まいは「世界で一つ」しかないからです。
立地、気候、日射、風、建物の形状、住まい方、建物の仕様など全く同じ状況におかれた住宅はありません。
様々なものからの影響を受け経年と共に劣化します。これは仕方のないことです。
ですので、お客様のお家ごとに工事金額があるのです。
工事金額についての説明
1 現場の作業性
作業しやすい環境か。施工面積はどのくらいか。
2 塗料や施工方法
どのような材用を使うのか。どのように施工をするのか。
3 現在の塗膜の状況
既存の塗膜の状況によって、必要な下地処理がかわるため。
4 依頼する業者の形態や会社の考え方
個人事業主なのか、直接施工なのか。下請け施工などの会社形態や施工体制の違い。また会社によっては利益率や方針が価格にあらわれるため
つまり、1〜4について総合的にを考えて工事原価が出ます。
そして、会社が健全に運営可能な必要経費を加算して工事金額が決まります。
適正な工事価格には正しい理由があります
工事金額に受ける印象と工事金額の中身のお話しをします。
≪参考例≫
Kさんは外壁の塗り替え工事を検討しています。色々と調べたり聞いたりして予算を考えます。
予算はだいたい100万円くらいかなぁ。と考えています。
@工事金額120.万円の見積もりがでました。「思ったより高いなぁ」という印象です。
□業者A■中身は…工事原価が低い=業者の利益が高い
安価な材料のため低品質、利幅があるので思い切った値引きも可能。
工事金額を安くしお買い得感の演出もできる。
□業者B■中身は…工事原価が高いが業者の利益は必要経費分
適正な材料で品質が良い、適正利益で品質も下げられない
ため値引き対応が難しい。融通が利かないと思われがち。
この場合120万円で予算よりは高い金額ですが、業者Bの施工が高品質なので適正と考えられます。
A工事金額80万円の見積もりがでました。「思ったよりも安いなぁ」という印象です。
□業者C■中身は…工事原価が適正で業者の利益は必要経費分
工事現場の環境や既存の塗膜状態が比較的良好で必要な工程は盛り込み
適正な利益を加算しても安い印象
□業者D■中身は…工事原価は安い=業者の利益が高い
的確に工事内容が把握できていない、手抜き前提、短い工期での
施工による安価な見積もり金額の可能性がある。
この場合は80万円で予算より安い金額の提示の為、どちらも予算内です。
しかし見積もり内容や工程をキチンと確認しないといけません。
業者Cの施工が工事金額に対しては適正と考えられます。
と、このように金額だけでは良いか悪いかが判断できない場合があります。
価格が安いからお得とはならないですし、かといてって高額なら必ずしも高品質とも限らないのです。
塗装工事の特性上見積もりの時点では実際に施工される際の原価は未定です。
使用する塗料が適切で、施工する高い技術と適正な工程を経て「塗装」することで完成します。つまり…
提出された見積価格や仕様書から、
目に見えない見積担当者の現状把握力や
必要とされる施工方法の提案内容および
仕事に対する誠実な姿勢を見抜くこと
そして、納得できる工事を選択できるかどうか
が鍵となります。
最終的には、
お客様のご判断が、価格に応じた品質の工事を選択するということになります。
この内容が少しでも判断のお役に立てれば幸いです。